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ホセ・アントニオ・ソローヤ・ガーエン



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ホセ・アントニオ・ソローヤ・ガーエンは、卓越した職人技を持つ伝統的な環境の中で育ち、独学で作風を見事に築き上げた画家です。彼の油絵は写真をもとに描かれますが、写実的な作風の画家とは異なり、抽象画に抵抗を感じておらず、描かれる人に対する愛情と、光•色彩に対する配慮を大切にした印象的な絵画を描いています。この細部まで行き届いた制作過程の結果、観る者の視覚へと直接語りかけ、まるで描かれた人たちの世界へと入り込めそうな作品に仕上がるのです。
ホセ•アントニオは、現在描いている作品が、新たな探究を始めたばかりの段階のものであると語ります。現在作品を制作する上で、彼は写真を参考にしています。 彼は、「本を読みながら眠り込んでしまった人や、アイデアが思いつかない空っぽな作家」など、 一瞬の風景を思わず捉えた写真に映る、平凡な日常生活を送っている人たちをよく描いています。時には、彼がふさわしいと考える色彩の構成をセレクト•アレンジすることによって、絵のシーンをあらかじめ準備することもあります。いずれにしても、ホセ•アントニオは、観る者に、感情を注ぎ込むことにより、写真を超える見事な絵画を描くことを目標にしています。彼が描く海は、子供の頃からなじみにある海であり、海が人に与える影響に深い関心を抱いています。このような願いを込めて描く彼の油絵は、水平線を眺めている平凡な人々の思いや気分を、観る者に感じさせてくれるのです。彼は自らの作品を通して、映画の一コマのような印象を残したいと考えます。映画の一コマが油絵のような感情を持つように、彼の油絵は、過ぎゆく一瞬の現実感と深さを伝えようとしてくれます。
ホセ•アントニオはスペイン•カステヨン州にあるオンダという、伝統陶芸で有名な町に生まれました。彼の家族には陶芸家や画家などのアーティストが多く、陶芸のワークショップも有し、若い頃からアーティストとしての技術を磨くには理想的な環境で育ちました。彼はスペインに在住し、1983年からほぼ毎年、フランス、ロシア、レバノン、そしてアメリカなど、世界中のあらゆる国々で作品を展示しています。彼が現在描いている作品はフィギュラティヴ・アートとして位置づけられますが、ホセ•アントニオは長いキャリアの中で異なった時期に渡り、様々な表現媒体やスタイルを試し、現在の作風を築き上げてきました。