陶芸家 今井完眞
はじめまして、今井完眞です。
私はこの春に大学院を修了したばかりの陶芸家で主に蟹などの生き物を制作しています。
今回は私が陶器で蟹などの生き物を作りはじめたきっかけについてお話いたします。
私は1989年に京都の陶芸家の家に生まれました。実家が陶芸家だったので時々工房に行って手伝いをしたり窯焚きの時には薪割りをしていたので陶芸には小さい頃から接していて、粘土遊びで作ったものを窯でやいてもらったりしていました。
美術を始めたのは高校生の頃で陶芸や漆芸にも興味がありましたが学校では彫刻を専攻していました。彫刻はやってみればおもしろくて好きでしたが元々彫刻を専攻したのは行きたいと思っていた東京藝術大学工芸科の入試内容が石膏デッサン、模刻と静物着彩だったからで、デッサン力を身につけるためには彫刻科が一番よいと思ったからでした。
そんなときの出来事です。私の父が百貨店で個展をしていたときに、隣の会場で個展を東京藝大の陶芸科をでられた方がしておられました。その方はとてもきれいな青磁の作品を作っておられて私は衝撃をうけました。
父も東京藝大の卒業生で二人でいろいろな話をしていました、そこに私もおじゃまさせていただいて話をきいていました。話も終わり家に帰る道中父に「どうしてうちは青磁をしないの?」と尋ねると「難しいからや、でも昔作った釉薬はある」と教えてくれました。そのとき私は青磁で器を作ってもいろんな作家さんがやっているしなにか変わったことはできないだろうか、と思いいろいろ考えていました。
実際に青磁で作品を作ってみたのは大学に入ってからで、一年生から二年生になる春休みでした。青磁の蟹を枕木につけたその作品は二年生になってから大学で工芸科二年進級展に出品しました。今思えばまだまだクオリティーの低い作品でしたが当時同級生や先輩に評判がよく、少しずつ改良しながら今日に至ります。
次回はなぜ陶器という素材にこだわって制作しているのか?についてお話させていただこうと思っています。よろしくお願いいたします。
今井完眞
*今井完眞の作品は https://mizenka.com/ja/artist/Sadamasa-Imai でご高覧いただけます。
*左上画像:作品陶器を制作している今井完眞
*右上画像:今井完眞の作品陶器を焼いている窯の中の様子
*中央画像:穴窯で作品陶器を焼いている今井完眞
*左下画像:今井完眞の作品陶器の成形過程の様子
*右下画像:穴窯で作品陶器を焼いている様子
*文中最後の画像:今井完眞作「蟹」

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